システム全体像に解説を加えたいと思います。
PVR(Personal Video Recorder)は入力された映像や音声を記録する器械です。PVRは通常PCに接続され録画する映像をPCに保存します。PVRには録画予約や録画した映像を視聴するソフトウェアが多くの場合は付属しているので、それを使って操作するか、もしくはPVRに付属のリモコンで操作することも出来ます。PVRの種類や設定等にもいろいろあるのですが、アメリカから日本のテレビ番組を見るにあたって特有の問題を解説していくことにします。もっともここに書かれている事はアメリカや海外からというよりも、宅外からPVRを利用するという意味では一般的な問題ですが。
離れた場所からPVRを利用するには、付属のリモコンを使用することは出来ないので、PVRが接続されているPCにインターネット経由でアクセスしてソフトウェアを使って操作することになります。
そこでまず問題になるのが、PVRが設置されている宅外から、そのPCにアクセスする方法です。PVRの設置されている宅内であればローカルネットワークであるのでアクセスは簡単ですが、宅外からとなると通常PCを守ってくれているルーターやゲートウェイのようなものが邪魔になってしまいます。
それともう一つの問題は通常ISP(internet service provider)はDHCPによって動的にIPアドレスを割り当てるので、そのPCに割り振られているIPアドレスが変わってしまうという問題もあります。IPアドレスが変わってしまうと宅外からアクセスする為には日本に設置しているPCやルーターのIPアドレスを別途メール等で連絡して貰わなければ接続することが出来ません。
そこで私の場合はBuffaloのBHR-4RVというVPN接続をサポートしているルーターを設置しました。(システム図では左側にあるRouter, VPN Server)VPN接続というのは、簡単にいうと、宅外からのアクセスをあたかも宅内のローカルネットワークからのアクセスであるかのように扱ってくれる接続方法です。会社などでも在宅勤務者や外回りの営業の方々が会社内にいる時と同じ情報にアクセスできるようにするために使用されている方法です。VPN接続するためには、まず宅外からアクセスするPCがインターネットにアクセス出来ている状態から、さらにVPNネットワークの設定を行って、VPNサーバーに設定されているユーザー名とパスワードを使って宅内ネットワークへのアクセスの認証を受けます。
VPNサーバーの機能を持ったルーターは以前は非常に高価でしたが、最近ではかなり安価なルーターでもサポートするようになりました。BHR-4RVは5000円程で購入出来ました。
また、前述したIPアドレスに関する問題ですが、最近は無料でDynamic DNSというサービスを提供しているところがあり、そういったサービスに先のルーターを登録すると、IPアドレスは動的に変わってしまうのですが、ドメイン名を使ってVPNサーバーにアクセスできるようになります。私はDynDns.comというサービスを使っています。
DNSというのは本来ドメイン名(e.g. google.co.jpなど)を静的な(つまり変らない)IPアドレスにひもづけるサービスなのですが、Dynamic DNSサービスというのは、IPアドレスが変わってしまう端末(この場合はルーター、BHR-4RV)のIPアドレスを定期的にチェックして、その端末についているドメイン名の設定をその都度更新するというサービスです。
Dynamic DNSサービスを利用することにより、123.456.789.012といったIPアドレスではなく、myname.dynalias.comといった覚えやすい名前で接続設定出来るようになります。また、ISPによってルーターに割り当てられたIPアドレスが変更になっても、このドメイン名さえ分かっていれば接続することが出来ます。
こうしてVPNサーバー機能を持ったルーターとDynamic DNSサービスを利用する事により宅内のネットワークにアクセス出来るようになります。
また、こうした一般向けのVPNサーバーがサポートしているPPTPというVPN接続用のプロトコルは企業等で使われているVPNサーバーが使用しているプロトコルとは異なり、VPNサーバーにアクセスするPCやスマートフォン等に特別なソフトウェアをインストールする必要はありません。
Windows XP, Vista, Windows 7, Mac OS Xや一部のスマートフォン(iphone, iPad含む)はPPTPをサポートしているので、簡単にVPNネットワークの設定をする事が出来ます。
ただし、私の場合はMacを持っているのですが、残念ながらBHR-4RVにはMacからはVPN PPTP接続する事が出来ませんでした。これはBHR-4RV固有の問題ですが、Macユーザーの方はルーターを購入される場合にMacサポートを確認された方がいいでしょう。